アサリ漁としてもっとも多い漁法が、腰マンガを使った方法です。腰に箱メガネ、貝を入れる大きなタライ、マンガと呼ばれる柄の先に爪がついた鉄製の篭を付けて海の中へ入ります。マンガの柄を前後に揺すって篭を砂の中に潜らせます。篭を引き上げ海水中で揺すると、砂や小さな貝などは取り除かれ、編目以上の大きさの貝だけが残ります。腰マンガを使うのは、水深が腰までのところです。それより深いところでは舟の上から長柄マンガを使いアサリを採ります。
ところで、漁師は当てずっぽうにマンガで海底を引いているわけではありません。アサリのいる場所を狙って漁を行っているのです。広い海の中でどうやってアサリがたくさんいる場所を見つけるのでしょうか。アサリは、大潮の干潮のときだけ陸化して、普段は海底となっている場所でよく育ちます。そうした場所まで舟で出かけ箱メガネで海底を覗きます。たくさんいる場所では、アサリの目(水管)がたくさん見られます。
また、海底の砂地が硬いところではアサリのいる場所の周りの砂が軟らかくなり、逆に砂地が軟らかいとアサリのいる場所は硬くなっているため、足で海底を探っても分かるようです。こうして漁場を決めるのです。稚貝を保護するため、マンガの網目の大きさは決まっています。三河湾の場合は殻長2.5センチ以下のアサリは採ってはいけないことになっています。
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マンガを引くと、アサリ以外にもバカガイ、サルボウ(アカガイの仲間)、トリガイなどいろんな貝が採れますがやはりアサリが一番たくさん収穫できます。中には、ノリのタネつけのために使われていたホタテの貝殻が一緒に入ってくることもあります。ときにはタコが獲れることさえあります。 |
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