水環境を守るためには条例などによる規制も大切ですが、もっと大切なことは地域に住んでいる人たちと共同して取り組むことです。そこで県や市町村といった自治体ばかりではなく地元の企業など62団体によって猪苗代・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会がつくられています。協議会では水環境保全についてのフォーラムの開催、啓発活動、水環境保全活動などを積極的に取り組んでいます。そうした活動の一つにフォトコンテストがあります。平成14年から始まったコンテストには毎年200点以上の応募があり、入賞作品を展示したり、猪苗代湖を紹介したりするためのホームページで掲載するなどしています。また個人としても参加できる湖未来(みずうみみらい)クラブも設立して水環境保全の情報提供も行われています。このクラブで集める会費は運営費としてではなく、環境保全活動を行う団体等の支援に使われています。猪苗代湖を守っていくためには、行政だけの力に頼らず、誰もが参加しやすいような仕組みが考えられているのです。
猪苗代湖周辺では自然が身近なものとして感じられます。景観を損なうような看板を撤去しているため、景観の透明度が高いといった雰囲気があるからでしょうか。水を守ることは、同時に地域の自然や人々の未来をも守り育てることなのです。 |
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猪苗代湖をもっと身近なものとして守るため、地元の人たちによる湖畔の清掃活動やアサザの観察会などが行われています。
(写真提供:福島県) |
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