汚れた金魚鉢の水は水ごと取り替えればきれいになります。ところが金魚鉢の水を取り替えても、何日か経つと再び汚れてきます。原因の一つは金魚に与えるエサや排泄物が水の汚れになるからです。そこで水を取り替えたときに金魚を別の水槽に移しても、金魚鉢の水の汚れは進みます。水槽の内側や石について残っていたわずかな汚れなどが原因です。これらの汚れの正体は有機物です。
有機物とは、もともとは生物を構成する物質という意味です。つまりタンパク質、脂質、炭水化物などで構成され、いずれも炭素を含んでいます。そのため、燃やせば黒い炭になってしまいます。汚れの原因となる有機物には様々なものがあります。枯れた植物、動物の排泄物や死骸などすべて有機物です。金魚のエサや排泄物も有機物です。料理の食材となる野菜、穀物、魚介類、肉類などはすべて有機物です。
金魚を別の水槽に移し替えればエサや排泄物が増えることはないはずですが、日が経つにつれ水の汚れは進行します。水や水槽の壁が緑色になり、水はどんどん不透明になってきます。嫌な臭いも発します。こうした状態を、水が腐ったと表現します。しかし、水自体が腐るということはありません。
嫌な臭いの元は水槽の中で増えた嫌気性微生物によってつくり出されたアンモニアや硫化水素です。 |