水の話-山菜

飽食の時代の反動でしょうか、それとも都会では失われてしまった自然への憧憬によるものでしょうか、山菜採りに人気が集まっています。
山菜を探して山の中を歩きまわり、自分で採った山菜料理に舌鼓を打てば、自然がより身近なものに感じられます。
ところで、山菜は山で採れる「野生」の「菜」という意味で使われているようですが、一方で、「野」のつく言葉には野鳥、野草、野イチゴなど自然のままという意味を持つ場合がほとんどです。
ということは、野菜はもともと「野生の菜」、つまりいまの山菜であったのでしょうか。
山菜について考えることは、日本の自然について考えることにもなりそうです。


山菜
日本人が食べてきたもの
自然が与えてくれた豊かな恵


●取材協力
・小林元男氏(愛知県植物誌調査会) 
・篠田陽作氏(日本自然保護協会会員)
・豊田市農業協同組合
・林 武生氏(名古屋女子文化短期大学生活文化学科助教授)
・松永モモ江氏(長野県飯田市在住)

●参考文献
・「食用植物図説」女子栄養大学出版部
・「食の万葉集」中公新書
・「旬をみつける 山菜・野菜・木の実」永岡書店
・「食べる日本史」朝日文庫
・「漬物と日本人」NHKブックス
・「日本の食文化・第四巻」雄山閣
・「人里の自然」保育社
・「野菜」法政大学出版局
・「野菜・山菜博物事典」東京堂出版
・「野菜の日本史」八坂書房
・「野草・雑草観察図鑑」成美堂出版
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