水の話-針葉樹の森

森という言葉には、人の心に安らぎを与えてくれる響きがあります。言葉だけでなく、実際、森には不思議な作用があります。フィトンチッド効果も不思議な力の一つです。また、緑のダムともいわれるように、水を蓄え、浄化し、さまざまな生き物を育むのにも森は大きく係わっています。
ところで、森といっても広葉樹の森もあれば針葉樹の森もあります。自然環境意識の高まりの中で、かつてはあまり役に立たないとされていた広葉樹の森が見直されていますが、どうもその分、針葉樹の森に対しての正当な評価が低下しているようです。針葉樹、とくに人工林には経済的な価値しかないのでしょうか。


針葉樹の森
自然の森と人工の森
日本の文化を作り上げてきた針葉樹


●取材協力
・池田聡寿氏(長野県木曽郡上松町)
・川合壽之氏(中部森林管理局名古屋分局)
・只木良也氏(名古屋大学名誉教授・プレック研究所生態研究センター長)
・湯本 正氏(中部森林管理局木曽森林管理署署長)

●参考文献
・「ことわざの生態学」(只木良也 著)丸善ブックス
・「森林の環境100不思議」(社)日本林業技術協会
・「森林の不思議」(谷田貝光克 著)現代書林
・「森林文化への道」(筒井迪夫 著)朝日新聞社
・「針葉樹」(中川重年 著)保育社
・「地球大紀行」日本放送出版協会
・「森と人間の文化史」(只木良也 著)NHKブックス
・「森と水のサイエンス」((社)日本林業技術協会企画)東京書籍
・「森を読む」(大場秀章 著)岩波書店
・「山渓カラー名鑑・日本の樹木」山と渓谷社
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