水の話-伊勢海老

白波の砕け散る岬の突端から、水平線の彼方まで遮るものなく広がる太平洋。海の上に行き交う船とごま粒のように見える鳥の姿以外は何も見えません。でも、海面下では命の営みが繰り広げられています。喰うものと喰われるもの。一見残酷な戦いのようにも思われますが、命を受け継いでいくための自然の営みです。水面下の岩礁では堅い甲羅に守られたイセエビも獲物を狙っています。


伊勢海老
王者の風格を備えた磯の生き物
悠久の時を越えて光り輝く海


●取材協力
鳥羽水族館
三重県鳥羽市相差町/網元旅館なおき

●参考文献
伊勢湾は豊かな漁場だった/風媒社
海老―ものと人間の文化史/法政大学出版局