繁殖した藻類はたんに水を汚すというだけではありません。東京湾、伊勢湾、大阪湾などで慢性的に発生する赤潮の原因は、藻類やプランクトンの異常繁殖によるものです。中には毒性をもつものもあり、養殖魚に大きな被害を与えています。湖沼でも有害なアオコを発生させています。特にアオコの中のミクロキスティスにはフグよりも強力な毒を持っています。海外での事例ですが、沼の水を飲んだ牛が死亡し、その原因は沼に発生したアオコであったということもあります。
生活排水などに含まれる窒素が地下に浸透して地下水汚染を引き起こす場合もあります。窒素は酸素や水素と結びついて硝酸やアンモニアといった形でも存在します。そして硝酸イオンを含んだ地下水を飲むと、血液の中で酸素を運ぶ役目をしているヘモグロビンと硝酸が結びついてしまい、酸素と結びつけないメトヘモグロビンに変わってしまいます。その結果血液も青くなってしまいます。つまり酸欠状態になってしまうのです。とくに乳幼児に症状が出やすいためブルーベビー病という名称も使われています。
BODだけを取り除いた水と、窒素とリンも取り除いた水を並べ、日光が当たる場所に一定期間放置しておきます。するとBODだけを取り除いた水は緑色になってきます。藻が繁殖している証拠です。金魚鉢の水を新しく替えても、しばらく経つと緑色になってしまうことはよくあります。これも金魚の糞に窒素やリンが含まれているため、藻が繁殖するからです。
|
|
水槽の中で金魚を飼う場合に、屋内と屋外、水草を入れた場合と入れない場合では水の汚れ方が違ってきます。水草を入れずに屋外に置いた時が一番早く水が汚れます。 |
|