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水の循環 |
河川の水の量が0.0002%だけで、どこからも補充がきかないものとすれば、生活や農業、産業などに使われて、はるか昔に使い果たしていたかもしれません。しかし、河川の水は次々に供給されています。姿、形や存在している場所を変えて循環しているだけです。
水は雨や雪となって地上に供給されます。地表や樹木の上に降った雨は、そのまま蒸発するものもありますが、多くの水は地表を流れるか地下へ浸透していきます。地下へ浸透した水の一部は植物が吸い上げ、葉の蒸散作用によって再び大気へと戻ります。山の天気が変わりやすいのは、気温の変化が大きいだけではなく、樹木から蒸散する水分が多いためです。
地表に降った雨や雪は小さな流れをつくり、沢や谷を形成しながら徐々に大きな流れとなっていきます。あるときは滝となり、下流へと向かいます。
途中で池や湖に流れ込むかもしれません。ダムやため池の水を満たし、そこから生活用水として、あるいは田畑や工場へと導かれる水もあるでしょう。生活用水や農業用水として使われた水も最後は下流で再び川へと放流されて海へ至ります。海の水は蒸発して雲をつくり、雨となって再び地上へと戻ってきます。トイレや風呂で使用した生活排水も処理して川へ放流され、最後は蒸発して雲をつくり、雨になって川を潤し人々の生活に使われます。 |
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地球は水の惑星と呼ばれるように地表の約7割を海が占めています。大海原を眺めた時、水は無限にあるように思われますが、生活や農業、産業活動などに使われるのは淡水で、しかも淡水の大部分は地下水です。 |
水が戻ってくるまでの時間 |
雲、雨、川、海、そして雲というように水は常に循環を繰り返しています。ところがこうした循環を繰り返すのにかかる期間は全ての水が同じというわけではありません。大きな川の上流で降った雨は長い時間をかけて海へ至りますが、短い川の上流で降った雨はすぐに海へと流れます。琵琶湖のように大きな湖に流れ込んだ水の中には、数日で川に入るものもあれば、湖底に沈み込んで再び川へ流れ込むのに数百年もかかるものもあります。地下水も地中深くに染み込んで湧水となって地表に現れるのに1,000年以上の歳月を要するものがあります。南極では、何万年もの間氷として閉じ込められている水もあります。
水蒸気になった水は平均して10日ほどで雨となって地表に戻ります。こうした中でもっとも循環時間が長いのが海水です。海水の循環という場合、一般的に連想するのは黒潮とか親潮といった海流です。海流は偏西風などの大気の循環に地球の自転の影響を受けた海の表面で起きている海水の流れです。ところが海にはもう一つの雄大な流れがあります。水は冷えると重くなり沈みます。南極海と北大西洋のグリーンランド近海では海水が冷やされてゆっくりと海底へと沈み深層水となります。沈み込む途中の水深600メートルから1,000メートルの辺りでは塩分濃度や溶存酸素の値が最も少なくなり、しかも細菌や化学物質にも汚染されておらず、ミネラルも豊富な水です。この水をくみ上げたものは海洋深層水と呼ばれ、飲料水、化粧水、医療分野などで注目されています。
深層水は北大西洋から南極海を通り、インド洋や太平洋をゆっくり上昇しながら北上し、インド洋と北太平洋で表層まで上昇します。表層水となった海水は再び南極海と北大西洋へと流れ海底へと沈みます。こうして海水が一巡するのに、3,000年以上もかかるといわれています。
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春になって徐々に融けだしていく雪のおかげで雨の少ない季節でも河川の水が枯れることはありません。しかし、最近は降雪量が少なくなっているため、夏場の水不足が心配されています。
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山に降った雨は海へ至る過程で幾度となく繰り返し使われ人々の暮らしを支えます。 |
せっかく降った雨も、都会ではアスファルト道路などによって地中へ染み込むことができず、利用されないまま河川へ流れ込み洪水被害をもたらすことがあります。 |
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棚田では上の田んぼから順番に水を流すことによって、水は効率よく使われます。
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