一度使われて川などへ放流された水は自然の中では再び戻ってきます。人間がどれだけたくさんの水を使ったとしても地球規模から見れば水の絶対量が減るわけではありません。しかし、水を供給する場所や大量に使用する場所は限られています。水の需要が多い地域では水不足になる場合がでてきます。さらに、使って汚れた分だけその地域の水環境は悪化します。そこで水不足にならないように、しかも水環境の悪化を防ぐには、水の使用量を減らすことが重要になってきます。
日本の年間平均降水量は世界平均の約2倍の約1,700ミリ、約6,500億立方メートルです。しかし、降水量から蒸発などによって失われた水の量を差し引いた、理論上での最大限利用可能な水の量は、年間で1人当り3,337立方メートルです。この量は年間降水量が約650ミリのフランスや約717ミリのイタリアとほぼ同じです。こうした数字から見れば日本は必ずしも水資源に恵まれた国とはいえないのです。
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山に降った雨は海まで流れていく間に様々なものを溶かし込みますが、基本的には自然の浄化作用によって汚れることはありません。ただ、途中の都市などから生活排水などが大量に入り込むと、川の浄化作用は十分に機能できなくなってきます。 |
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