日本には「小京都」と呼ばれている場所があり、犬山市もその一つです。大手門跡から南へと延びる道沿いを中心に伝統的な建造物や文化財に指定されている建造物が並んでいます。ただし、明治24年(1891年)に起きた濃尾大地震によって多くの家が倒壊して再建されているため、江戸時代のままの姿ではありません。それでも当時の旧犬山藩の大工たちによって建てられた伝統的な家が続きます。
多くの家は道路に面した側に格子戸が張付けられています。こうしたつくりは江戸末期の騒然としていた時に京都でつくられ、全国に伝わったからです。それが京風の雰囲気を醸し出しています。しかもこれら町家の多くはいまも住宅として使用されています。それがかえって生活感の漂う生きた町としての魅力につながっているようです。 |