水深200m以深から汲み上げた海水は海洋深層水と呼ばれています。ただし、海洋科学の分野では水深200mまでは表層水、水深1,000mまでを中層水、それよりも深い場所の海水を深層水としています。
海の中で一番深い場所は太平洋のマリアナ海溝の10,924m、海全体の平均水深は約3,800mです。海洋深層水とはいっても、海全体から見るとそれほど深い場所の水ではありませんが、水深200m以深の水の量は全地球上の水の約90%にも及びます。しかもこの200mという違いが海表面の水とも河川や地下水などの淡水とも異なる特徴をもっています。
海面から差し込んだ光の届く限界が約200mです。そこから下は暗闇の広がる世界です。水中では10m深くなるごとに1cm2当たり1kgの圧力がかかります。水深200mになると1cm2当たり21kgというかなりの水圧がかかっています。グロテスクな姿をした深海魚がすむのも水深200m以深の水域です。さらに水温が低いということも一つの特徴です。 |