水の話
メニュー|1 2 3 4 5 6次のページ
 
3000万種もの生物がすむ地球
森の中には、大きさ、幹や葉の色や形などの異なるさまざまな木が生えています。遠くからは鳥の声も聞こえてきます。落ち葉の下にも無数の虫がいます。目には見えないけれど微生物もいます。森の中を流れる川や池の中にも、いろいろな生き物が暮らしています。

動物と植物だけではない生物

 身の回りは実にさまざまな生き物たちであふれています。しかも木や草や鳥や虫ばかりではありません。水や土の中にも多くの生き物がすんでいます。それも目に見えないほど小さな生き物もたくさんいます。
生き物というと一般には動物と植物に分けられます。動物の場合は脊椎の有無によって脊椎動物と無脊椎動物に分類され、脊椎動物はさらに哺乳動物、鳥類、魚類、爬虫類、両生類というように細かく分類されていきます。植物も種子を作るものと作らないものなどに大きく分けられ、さらに細かく分類されていきます。このように生き物を大きく分けた時の最初の分類を界といい、かつては動物界と植物界の2界に分けられていました。動物は自力で移動し、有機物を体内に摂り入れてエネルギーにし、植物は自力で移動することができず無機物を摂り入れて成長するというのが一般的な考え方です。
ところが動物界にも植物界にも当てはまらない生き物がたくさんいます。身近なものとしてはキノコがあり、菌界として分類されています。今では生物界を分類する時、動物界、植物界だけではなく、菌界を加えた3つの界、あるいは原生生物界や原核生物界を含めた5つの界に分類されるようになっています。こうした生物界の見直しが行われるようになったのは微生物や単細胞生物の研究が進んだからです。




あらゆる環境に生息している生物

 地球上にはさまざまな環境があり、最も広い面積を持っている海洋は地球表面の7割を占めています。しかも水深は0mから1万m以上の深さまであります。一方、3割を占める陸地も平地から高度8,000mを超える山地、干潟や熱帯雨林のように水の豊富な場所から砂漠のような乾燥した地域、南極や北極のような超低温の極地から火山のように高温の場所など、変化に富んだ環境を備えています。こうした環境のどこにでも何らかの生物が生きています。
一般に、生物が生きていくためには水と酸素が必要です。生物を構成する主要な物質は水、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸です。このうちのタンパク質は、例えばゆで卵を作ると白身や黄身が固まってしまうように、熱を加えるとすぐに変化してしまいます。そのため、一般的には60℃以上の環境に生物はすめないとされています。ところが60℃以上の温泉や、さらに高温の深海の熱水鉱床のような場所にすむ好熱菌のような生物もいます。
また水は0℃以下になると凍るため、細胞組織が破壊されるのが普通ですが、氷点下の環境にも耐えられる生物もいます。さらには溶存酸素の濃度が低い汚れた水の中にすむ微生物もいます。
地球は日本のように穏やかな環境のところばかりとは限りません。極めて過酷な環境の方が多いといってもいいのです。過酷な環境の中で生きる生物にとっては、人が暮らすのには穏やかな環境が、逆に過酷な環境になることもあるのです。


池
生き物にとって水はなくてはならないものですが、地球全体の質量のうち、水は0.006%程度しかないといわれています。


チューブワーム
チューブワーム(日本名ハオリムシ)のように、200℃を超えるような熱水と硫化水素の吹き出す海底にしか生息しない生物もいます。


干潟
干潟は命のゆりかごといわれています。陸から栄養分が流れ、干潮時には多くの日光や酸素をとりいれ、膨大な量の生物を育てます。



メニュー|1 2 3 4 5 6次のページ