地球上にはさまざまな環境があり、最も広い面積を持っている海洋は地球表面の7割を占めています。しかも水深は0mから1万m以上の深さまであります。一方、3割を占める陸地も平地から高度8,000mを超える山地、干潟や熱帯雨林のように水の豊富な場所から砂漠のような乾燥した地域、南極や北極のような超低温の極地から火山のように高温の場所など、変化に富んだ環境を備えています。こうした環境のどこにでも何らかの生物が生きています。
一般に、生物が生きていくためには水と酸素が必要です。生物を構成する主要な物質は水、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸です。このうちのタンパク質は、例えばゆで卵を作ると白身や黄身が固まってしまうように、熱を加えるとすぐに変化してしまいます。そのため、一般的には60℃以上の環境に生物はすめないとされています。ところが60℃以上の温泉や、さらに高温の深海の熱水鉱床のような場所にすむ好熱菌のような生物もいます。
また水は0℃以下になると凍るため、細胞組織が破壊されるのが普通ですが、氷点下の環境にも耐えられる生物もいます。さらには溶存酸素の濃度が低い汚れた水の中にすむ微生物もいます。
地球は日本のように穏やかな環境のところばかりとは限りません。極めて過酷な環境の方が多いといってもいいのです。過酷な環境の中で生きる生物にとっては、人が暮らすのには穏やかな環境が、逆に過酷な環境になることもあるのです。 |