|
ヘラオモダカ
水草の花はスイレン科以外に赤系統の色を持つものはなく、白、黄、青色系で占められています。開花時間は種によって様々で、ヘラオモダカのように午後3時ごろから開花し始めるものもあります。 |
|
すべての生命は海の中で誕生し、やがて陸上へと進出しました。水草はこうした進化の途中で水の中に留まったものではなく、一度、陸上での生活を経験した後、再び水中での生活を始めた植物です。ミズニラという水草は、石炭紀に何十メートルもの高さの大森林を形成していたリンボクやロボクという木の子孫なのです。
水中生活といっても、その環境は様々です。流れのある川、流れのない池、水位が変動する水域、同じ水域でも水深の深い場所、浅い場所などいろいろです。ヤナギモやイトモのような川の中の水草は、流れに身を任せられるよう、柔らかい体に細い糸状の葉を持つものが多く見られます。池などで見られるヒツジグサ、ガガブタは水面に葉を浮かせるように、円形の浮葉をつけます。ハスは無酸素状態の泥の中でも生育できるように、大きな穴のあいた地下茎(レンコン)を持っています。
水草は淡水に生育するものばかりとは限りません。海にも水草は生えています。これは海草といって、アサクサノリやワカメなどの海藻とは区別されています。海草は維管束植物ですが、海藻はコケ類よりも下等な藻類です。海草としてはアマモ、コアマモ、ウミヒルモなど、海藻に比べ、種類はずっと少なくなっています。
一方、水草にもタヌキモ、サンショウモ、カナダモなど「モ」という言葉のつくものがたくさんありますが、これらは藻ではなく、れっきとした維管束植物です。 |