高温多湿の日本では、冬の寒さよりもむしろ夏の蒸し暑さをいかにして防ぐのかということが、住まいにとっては重要です。そのためには、風通しがよくなるような開け放しの造りにするのも一つの方法です。一方、畳は1枚で約500ccの水分を吸収・放出できるため、部屋の湿度調整をしてくれます。畳を部屋に敷き詰めれば、夏の蒸し暑さもかなり和らげることができるのです。さらに保温性にも優れているので、冬は室温を保つこともできるのです。
畳はマットや椅子と違い、床の上のどこにでも座ることが可能です。畳の上での生活は日本独自の正座という座り方も生みだしました。日本の生活文化は畳によって作り出された面がきわめて大きいのです。 |
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深いひさしと縁側に葦簾の掛けられた畳敷きの部屋。暑い夏をいかに涼しく暮らすかを考えた日本建築ならではの工夫です。(愛知県東加茂郡足助町・三州足助屋敷) |
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