肥料の3要素であるカリウムはカリとも呼ばれ、動物にとっては神経や筋肉の働きを正常に保たせる必須ミネラルの一つです。人の体には体重1kg当たり2gの割合で存在します。体内で採り過ぎた塩分の排除を促し、血圧を下げる働きをします。
元素記号はKで表される銀白色の金属の一種でナイフでも簡単に切ることができます。地球上にはたくさん存在していますが、他の物質とすぐに反応してしまうため、自然界では単体としてではなく、化合物としてしか存在していません。毒物として知られている青酸カリもカリウムの化合物で、正式にはシアン化カリウムといいます。
カリウムとは、もともとは植物を燃やしてできた灰を意味する言葉に由来しています。灰の成分はカリウムやカルシウム、マグネシウムなどの無機化合物です。生き物の体は大部分が有機化合物から構成されているため、燃やすと二酸化炭素や水蒸気となって大気中へ放出されます。しかし金属元素である無機化合物は燃やしても気体にはならず、固体として残るのです。灰は肥料以外にも植物のあく抜き、染色、焼物の釉薬など、昔から身近な化学物質として使われてきました。また、肥料として使われている硝酸カリウムは火薬の原料にもなっています。
海水の成分で一番多いのが塩化ナトリウムで、塩の成分のうち約78%を占めています。この他にも塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどのミネラルの他に、塩化カリウムも2.1%含まれています。カリウムを工業用として採取する場合は岩塩に含まれる塩化カリウムから精製します。
カリウムを肥料として利用する場合は塩化カリウムや硫酸カリウムの形で使われます。カリウムは主に根や茎の生長に必要な成分だとされ、さらに病気に対する抵抗性も高める働きがあります。 |