日本では、これまでに約600種類の野鳥が確認されています。ただし、留鳥と呼ばれている年間を通して同じ場所で生息する鳥もいれば、季節によって北の国や南の国から移動してくる鳥もいます。季節によって移動する鳥は渡り鳥と呼ばれています。
渡り鳥のうち夏鳥と呼ばれるものはツバメのように繁殖のために日本へ渡り、冬は南の国で過ごします。冬鳥はマナヅルやオオハクチョウのように日本より北の国で繁殖し、日本で越冬します。また、チドリのように、北の国で繁殖し、南の国で越冬する途中で日本を通過する旅鳥と呼ばれる渡り鳥もいます。
この他に迷鳥(めいちょう)と呼ばれる鳥がいます。天候の悪化やケガや病気などによって群れからはぐれ、本来の生息地ではない場所に迷い込んでしまった渡り鳥です。また、留鳥の中にも夏は山地や涼しい北の地域で過ごし、冬は平地や暖かな南の地域で過ごす漂鳥(ひょうちょう)がいます。
鳥は自由に大空を行き来するため植物や陸生の動物とは異なり、ある地域で見つかったからといって、必ずしも常にその地域で生育しているわけではありません。そして日本にいる鳥のうち種類がもっとも多いのは渡り鳥です。
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