川の上流と下流では、水の汚れ方がずいぶんと違ってみえます。先生は、上流ではBODが1mg/ℓでも、下流へ行くと4mg/ℓというように、水が汚れることはあるんだよ、と教えてくれました。
ところで、川は川自身で水をきれいにする働きがあるそうです。水の流れの激しい場所では水がかき回されて空気(酸素)をたっぷり取り入れ、ゆっくりした場所ではゴミや土砂を沈めます。どんな生き物でも、酸素が必要です。
魚や水草、水の中の昆虫も同じです。水草は小魚や昆虫のエサになったり、すみ家となります。さらに小魚や昆虫は他の魚のエサにもなり、いろんな生き物が集ってくることになるのです。魚がたくさん集まれば、それをエサにする鳥たちも集ってきます。
川が汚れる一番大きな理由はどこにあるのでしょう。自然のままの状態ならば、それほど水は汚れません。たとえ汚れても、自然の力が水をきれいにしてくれます。結局は、自然の力ではどうにもならないほど、人が水を汚しているのです。
資料:環境庁水質保全局発行 水生生物による水質の調査法—川の生きものから水質を調べよう
川の中には魚のほかにもいろんな生き物がいるよ。泥の中や小石の下にも隠れている。どんな生き物がすんでいるかによって、水がきれいか汚れているかの目安(指標)にもなるから、これらの生き物を、生物指標ともいうんだ。