昔に比べ、川がずいぶん汚れたという話をよく聞きます。昔といっても遠い遠い昔のことではありません。ほんの40〜50年前のことでしかありません。川には、もともと水をきれいにしようとする力があるはずです。ということは、自然に汚れたのではなく、私たち自身が汚してきた、ということです。
いまから20〜30年前、公害という言葉がさかんに使われていました。川や海の汚れは工場からの汚水が大きな原因でした。ところがこの汚水がきれいになっても、川の水はきれいになりませんでした。原因は家庭で使った排水にあったのです。
川は決して排水路ではありません。多くの生き物たちが生きている場所です。人々も、水だけではなく漁などによって川から多くの恵みを受けています。さらに上流と下流とを結ぶ道としての働きや、レクリエーションの場としての役割ももっています。水が作り出す風景、せせらぎの音、水の中の生き物たちは、人の心に安らぎも与えてくれます。水は、やはり美しくなければならないはずです。川や湖、そして海を少しでもきれいにしていきたいと、私たちは願っています。