土木技術の発展した現在ならば、石油採掘からも分かるように、何千メートルもの地下へ井戸を掘るのは決して難しいことではありません。しかし、技術も道具も十分ではなかった時代、どのような方法で井戸は作られたのでしょうか。
最初のうちは、井戸を掘るといっても浅く掘り、湧水や河川の伏流水を利用できるようにした程度です。しかし、深く掘り下げなければ水を得られないような場所では、直径十数メートルの大きなすり鉢形の穴を掘り、その縁のラセン状の道を降りて水を汲むこともありました。東京都羽村市に残る「まいまいず井戸」は大同年間(806~810)に作られたといわれています。 |
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まいまいず井戸
すり鉢状に掘り下げた形がカタツムリに似ているためにこのような名前で呼ばれています。(東京都羽村市) |
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