地下水は水温の変化が少なく、水質も良好で年間を通して安定的に得られるため、これまでさまざまな用途に使われてきました。用途別では最も多いのが工業用水です。ただ、過去においては地下水の汲み上げ過ぎによって地盤沈下や地下水位の低下といった深刻な問題もありました。そのため地下水の汲み上げの規制が行われ、現在では地盤沈下の被害はかなり少なくなっています。それでも工業用水道からの水に比べると地下水は安価で水質も良好なため、年間に約43億立方メートルも使われています。この他にも農業用水、養魚用水、生活用水、建築物用(冷暖房用)などを合わせると年間で約147億立方メートルもの地下水が使われています。これらの地下水を汲み上げるのにも、やはり井戸が使われています。井戸といっても釣瓶や手押しポンプで汲み上げているわけではありません。地下のかなり深いところから、揚水ポンプによって汲み上げられます。近代的上水道の水源として使われている井戸もあります。このように見ると井戸はいまでも大切な水源として使われているともいえるでしょう。 |
地下水使用の用途別割合
(全体:146.6億m3)
資料:平成11年版 日本の水資源 |
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