山は緑で覆われているから保水力があるのではなく、団粒構造の厚い土壌となっているから保水力があるのです。木の根はこの土が雨で流されたり、風で吹き飛ばされないような役目をしています。広葉樹の根は地中の奥深くへ入り込みますが、ヒノキ、サワラ、アスナロ、ツガ、トウヒなどの針葉樹の根は地表の浅いところでネット状に横へ広がります。ヒノキやツガなどの森の中に作られた道は、人が歩いたり雨水によって落ち葉などが取り除かれるため、こうした根が地表に現われ、歩きにくくなっていることも多いのです。
大地に根がしっかりと張っていれば、山は崩れることもなく、十分な保水力を発揮してくれます。最近は洪水被害がでるたびに、山の保水力が低下しているのではないかといわれています。
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地表に近い部分の幹は中が空洞となっているため、人の腰から胸くらいの高さで伐採されることが多いようです。広葉樹の場合は切り株のところから新たに芽を出すものがありますが、針葉樹の場合はこうした切り株の上に落ちた種子から芽を出し、成長するものもあります。 |
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