疏水は単に用水とか用水路とも呼ばれていますが、一般的には用水の名前が使われているようです。日本には北海道から沖縄までたくさんの疏水がつくられています。疏水の歴史は古く、農業とともに発展してきました。日本でいつ、どこで最初の疏水がつくられたのか明確な記録が残されているわけではありませんが、農業の歴史から考えると、2,000年以上はさかのぼることができそうです。農業の中でもとくに水田による稲作の広がりとともに疏水がつくられていき、現在、全国の疏水の総延長は40万kmにも及んでいるとされています。地球の円周は約4万kmですから、地球を10周する長さに相当します。
疏水の水源は川や湖沼です。取水口から取り入れられた水は1本の水路を通るだけではなく、田畑やその他の目的のために分水されます。水が供給されれば新たな田畑が開墾され、さらに疏水は延びて網の目のように張り巡らされていきます。水があれば人が住み村となり、さらに都市へと発展していく地域もでてきます。 |