にがり
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豆腐の凝固剤のことを、一般に「にがり」といっています。しかし、にがりは天然の塩からとれる塩化マグネシウムを主成分とした凝固剤のことで、現在では硫酸カルシウムなど他の凝固剤も使われています。天然の塩は空気中に放置しておくと水分を吸収し、やがて溶けだします。そのときにとれた液がにがりです。ところで、にがりからはマグネシウムやブロム(臭素)が取り出せますが、第2次世界大戦中、これを飛行機のエンジンや機体に使うため、にがりが軍需物資として統制されました。そこで、豆腐用のにがりに、代わるものとして硫酸カルシウムをはじめ、いろいろな凝固剤が開発されたのです。
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呉
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大豆を水に浸して柔らかくしたものをすり潰して作ります。乳白色で、どろっとしています。
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豆乳
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呉を濾して「おから」を取り除いたのが豆乳です。白くて牛乳の様に見えますが、栄養のほうも牛乳に劣らず豊富です。
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にがり入れ
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豆乳のなかに「にがり」を入れ、軽くしかも万遍なくかき回すと豆乳はすぐ、固まり始めます。簡単そうな作業に見えますが、この時の豆乳の温度、にがりの量などかなりの経験が必要で、豆腐の善し悪しはこの行程で決まるともいわれています。
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おから
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呉から豆乳を絞りとったあとの残りかすのようにいわれていますが、栄養的には豆腐と同じくらい優れています。しかも、料理の仕方によっては大変おいしくいただけます。
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木綿豆腐と絹ごし豆腐
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凝固剤を加えた豆腐は、最後に型へ入れて固めます。このとき、水抜きの穴のあいた箱に布を敷き、そこへ豆腐を流し込んで固めたのが木綿豆腐です。一方、絹ごし豆腐は凝固剤を加えそのまま箱に入れて固めたものです。水分を抜かないぶん、豆乳は濃く作られています。木綿に対し、絹のような滑らかさということから、この名が付けられたのです。
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