水の話
 
「流れ海」と呼ばれていた日本第2の湖

甦れ、美しい霞ヶ浦
 湖岸を回ってみると、湖には植物が意外と少ないことに気が付きます。ところどころにアシの小さな群落が見える程度です。そのアシも人工的に植栽されたものが多いようです。アサザやヒシといった浮葉植物の姿もわずかしか見られません。
かつては湖岸から沖合へ50メートルほどもアシが繁り、アシの群落の前にはマコモが繁っていたといいます。岸辺に近いところではミクリ、ヒメガマなども生えていました。植物による水質浄化が全国各地の水辺で試みられていますが、霞ヶ浦でも、アシやアサザを植えて、水質浄化に役立てようという動きがあります。湖の一角にアサザの群落がありました。水の濁度を測定してみると、アサザの生えている場所の濁度(SS)は10mg/l、生えていない場所では46mg/lという値となりました。
水草の減少は、水質の悪化に拍車をかけます。魚の産卵場所の減少にも直結します。さらに水質の悪化は、漁業はもちろん、水を利用している暮らしにも、さまざまな影響を与えます。風を帆いっぱいに受けた帆曳き船が復活したように、美しい霞ヶ浦を復活させる様々な動きがあります。

コイを捕るための漁具 アサザ
霞ヶ浦に流入する川に放置されていたコイを捕るための漁具。最近まで、コイの養殖も盛んでした。 湖岸には、アサザを植栽して、水質浄化に役立てようとの試みもあります。

きれいな霞ヶ浦を取り戻そうと、霞ヶ浦ふれあいランドには、湖の水質が電光掲示板で表示されていました。水質に対する関心の高さが伺えます。
電光掲示板
アサザのある場所 アサザが生えている場所のすぐ外側
アサザのある場所は水がきれいに見えました(写真:左)。濁度計で測ってみると、アサザが生えている場所のすぐ外側(写真:右)に比べ4分の1以下の値でした。


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