漬け込みに使用する材料として塩や糠味噌以外によく使われるものに、味噌、醤油、酢、味醂といった調味料や酒粕などがあり、いずれも発酵食品です。この中で発酵調味料として世界中で使われているのが酢です。酢は酒やワインなどが酢酸菌の働きで自然発酵すれば出来てしまいます。防腐成分の入っていない酒類であれば放置しておけば総て酢になってしまうため、世界で一番古い調味料だといわれています。
味噌と醤油の起源は同じで穀類を塩漬けにして発酵させたものでした。味噌ももともと保存食として食べられていたもので、調味料というよりはおかずのようなものでした。醤油の起源には諸説ありますが、鎌倉時代に中国から伝えられた金山寺味噌をつくる過程で樽から垂れてくる液体を溜りと呼んで調味料に使うようになったのがはじまりだともいわれています。現在では、ほとんど大豆だけでつくられているものを溜り、大豆と小麦がほぼ半々でつくられているものを醤油と呼んでいます。
味噌の原料は基本的に大豆です。ところが豆味噌とか米味噌、麦味噌などの種類があります。米味噌は味噌づくりの時に使う原料である麹に米麹を使ったもので、麦味噌は麦麹を使ったものという意味です。赤味噌とか白味噌といった違いは、その地域で普通に使われている味噌に比べて赤いか白いかという比較で分けられることもあるため、同じ信州味噌でも中京地区から見ると白味噌になり、関西地区から見ると赤味噌と表現されることがあります。米麹を多く使うと色が白っぽくなりますが、一般的な赤味噌と白味噌の一番大きな違いは原料となる大豆を蒸すか煮るかの違いだとされています。
|