飛騨高山といえば飛騨の匠とか、古くから日本の小京都と呼ばれ、優れた木工技術や高い文化を誇っています。同じ山国ではあっても塩を入手しやすい条件が整っていたのでしょう。しかも都の文化の影響も強く受けていました。食文化が発達していた京都では、漬物文化も発達していました。
赤カブ漬は味だけではなく、美しい赤い色にも魅力があります。そうした味や色彩にも都の文化が受け継がれているのかもしれません。
高山名物の朝市では雪が降り積もった真冬でも早朝から何店もの店が並びます。その中で一番多いのが赤カブ漬を扱うお店です。赤カブの漬物は飛騨地方の人達の冬の保存食です。収穫時期は10月頃です。かつては家ごとに、その家に代々伝わる方法で赤カブを漬けるのが当たり前でした。昔から行われているもっとも一般的な方法は塩漬けです。最近では酢漬や味噌漬け、醤油漬けなどを作る家庭もあるということです。
漬け込んでから数日も経てば発酵をはじめますが、どのくらい経ったときが食べごろかは朝市で売っている人達の間でも答えが違っています。2~3カ月という人もいれば1年という人もいます。
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