よみがえる三島の水風景

水の話 No.168 特集 よみがえる三島の水風景 市民の情熱が取り戻した、せせらぎの街

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よみがえった「水の都」、受け継がれる「原風景」

左:桜川の水源となっている菰池公園。池にはアブラハヤやオイカワなどが見られ、市民の憩いの場となっています。
右:湧水減少と水質悪化によって市内の川から姿を消した三島梅花藻が、佐野美術館所有の湧水池で復元、育成されています。5月~9月頃に可憐な小さな花を見ることができます。

左:雷井戸は、1年を通して湧水が自噴している市内最大の井戸です。かつては田町簡易水道の水源地でしたが、現在は市民の手により大切に管理されています。
中央:現在、三島市全体で取り組んでいる「ガーデンシティみしま」プロジェクト。街のちょっとしたスポットに色とりどりの花が彩りを加えています。
右:JR三島駅前をはじめ、市内にはさまざまな水の仕掛けが設置されています。

Interview

市民が誇れる街づくりをめざして

三島市 産業振興部部長
宮﨑 眞行 さん

 私は、『街中がせせらぎ事業』を7年間担当させていただきました。立ち上がりから携わってきましたが、正直苦労はほとんどありませんでした。それは、三島の人たちには小さな頃から親しんだ水への愛着があり、この事業の意義を共有することができたからです。事業を進めるために、まずは市民に耳を傾けてもらうことが重要です。そのため私たち行政が前面に立つのではなく、同じ意義を共有する市民の口から市民へと語っていただくことで理解を深めました。私たちはコミュニケーションと信頼を第一に心がけ、情報を全て公開し、市民会議やワークショップに時間をかけました。そうして初めて、市民の皆さんにこれは自分たちの事業なのだと受け入れてもらえたと思います。

 またこの事業は、多くの賞をいただくことができました。賞という外部からの評価をいただくことで、広く三島市を知っていただくこと、そして何よりも市民自身が街に誇りを持つことを実感できたのではないでしょうか。街づくりに終わりはありません。これからも多くの人に愛される街を、市民と一緒につくっていきたいですね。

三島市の水環境復活までの流れ

1962年
楽寿園小浜池が枯渇
1964年
石油コンビナート進出阻止運動、三島湧水を守る会が発足
1965年
市民20,405名の署名を得て
静岡県知事と県議会に湧水環境の復元策を請願
1965年
柿田川工業用水道工事の着手(1969年完成)
1974年
黄瀬川地域地下水利用対策協議会が発足
1977年
水上プロムナード計画を提唱
1978年
三島自然を守る会発足
1981年
全市一斉の河川清掃を開始(以降、毎年実施)
1982年
小浜池保存調査委員会発足
1983年
三島市が水緑都市モデル地区に指定される
1984年
三島市が水緑都市モデル地区整備計画を策定
1990年
源兵衛川の整備事業がスタート
1991年
三島ゆうすい会・三島ホタルの会設立
東レから源兵衛川への冷却水供給量が増加
(生態系復元に向けた管理マニュアル作成)
1992年
グラウンドワーク三島実行委員会設立
(1999年に特定非営利活動法人化)
三島市都市景観形成ガイドラインを策定
1993年
源兵衛川を愛する会発足
1995年
三島市が「水の郷百選」に選定される
2000年
三島市都市景観条例を公布
2001年
「街中がせせらぎ事業」スタート
2005年
第14回地球環境大賞「優秀環境自治体賞」受賞
都市景観大賞「美しいまちなみ大賞」受賞
国土交通大臣表彰「手づくり郷土賞」受賞
2006年
中部の未来創造大賞「大賞」、しずおか観光大賞「大賞」
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