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浄化槽メーカーがつくる「浄化槽のためのブロワ」
浄化槽は微生物の働きを利用して汚水の汚れを分解し、水をきれいにしています。その微生物が活動するための酸素を供給することが、浄化槽に付属するブロワの役割のひとつです。休みなく稼働する浄化槽のブロワには、耐久性が求められます。
フジクリーンは、浄化槽メーカーで唯一、自社でブロワの開発・製造をしています。浄化槽開発の一環としてブロワの開発、製造に取り組んでいるため、浄化槽に最も適したブロワがどういうものかがわかります。「浄化槽のための長寿命ブロワ」を開発するフジクリーンの技術を紹介します。
長寿命のための技術
◆内部の温度上昇を抑える設計「マルチバルブ化」
ほとんどのブロワは24時間稼働しており、稼働中の機器は高温になります。ブロワの部品は、ゴムや樹脂からできているものもあるため、機器の温度上昇を防ぐことで、部品類の長寿命化を図ることができます。フジクリーンの汎用ブロワは、10℃2倍則※に鑑み、ブロワ内部の温度上昇を抑えるためにマルチバルブ化を採用。空気圧縮力を分散させて圧縮熱を低減し、ゴムやプラスチックの劣化を抑えています。
◆ダイアフラムの劣化を防ぐ設計
ブロワの部品のひとつであるダイアフラム。ダイアフラムは、膜状のゴムからでできており、1秒間に約50往復振幅して、空気を取り込み送りだしています。フジクリーンの汎用ブロワでは、ダイアフラム部の内外でプラスチックとダイアフラムが接触する位置をずらすことで、ダイアフラムの劣化を防ぎ、破れにくくなっています。※一部機種での採用
またダイアフラムを大型化し、稼働時の歪みを低減することでも耐久性の向上を図っています。
ブロワからの音
ブロワは、空気を圧縮して送り出す仕組みのため、空気を送り出す時に、脈動(空気の振動音)が生じます。脈動が大きくなると配管や浄化槽本体を震わせ、騒音につながるケースもあり、特に深夜の住宅地では、わずかな音も気になります。フジクリーンの汎用ブロワは、タンク部容積にスペースを確保し、脈動を抑えます。騒音の最も厳しい環境基準である40dB以下もクリアしています。※一部仕様を除く
ブロワのメンテナンス
FRP製などの浄化槽本体は、半永久的な使用が可能といわれますが、電気機器であるブロワには寿命があります。劣化や故障を最小限にするためにも、部品交換などのメンテナンスも必要です。フジクリーンの汎用ブロワは、耐久性に優れた素材を使用し、構造をシンプルに設計。部品点数を削減し、部品交換にかかる時間や労力を省いています。
◆ダイアフラム交換
空気の取り込みと送り出しの役割を担うダイアフラムの材質はゴムです。1秒間に約50往復の振幅をするダイアフラムは、1年でかなり摩耗してしまい、定期的な交換が欠かせません。
一般的なブロワのダイアフラム交換には、軸をセンターに維持するための特殊治具が必要ですが、フジクリーンの汎用ブロワでは、ブロワ本体とダイアフラムに凹凸を付け、スムーズに交換ができるように設計しています。さらにダイアフラムに外周フレームを付けゴムの張りを均一に保つことで、交換作業をより容易にしています。