古里の川で最後の力をふり絞り遡上するサケの群れ。しかし、途中で力尽きたり、産卵を終えて命果てたサケの死骸も累累と横たわっています。 |
サケがすんでいる川というと、一般には、大変きれいな川というイメージがあります。ところが、サケがその川を遡上する一番の条件は、「におい」です。かつて石狩川が公害によって黒く汚れたときも、サケは遡上していました。また、稚魚も、かなり汚れた水であってもエサさえあれば川を下ることができるとされています。
いま、日本のサケはほとんどがふ化放流事業によって川へ戻ってくるものばかりです。つまり、回帰させることを目的として放流しているわけで、サケが戻ってきたからといって川がきれいになった証拠にはならないのです。
ただ、自然の状態のサケは、川底が砂利で湧水のある場所に産卵します。水温も10度C前後を好みます。こうした条件の川は、もともと自然度の高い川であり、水もきれいです。そうした川を取り戻すことが大切です。 |