現在、白炭の代表のようにいわれているのが備長炭です。池田炭や佐倉炭のように産地の名前のような感じを受けますが、実は、紀州(和歌山県)の田辺で炭問屋を営んでいた「備中屋長左衛門」という人の名に由来しています。紀州でも最初に炭焼を伝えたのは弘法大師だとされています。
その後、田辺、新宮、熊野など各々の炭の産地の名前を付けた炭が作られて、生産量、炭質ともに全国的に名の通った炭となっていました。そして元禄のころ、現在の田辺市でとくに優れた白炭が作られるようになり、それを備中屋長左衛門が備長炭の名で江戸へ販売したのが、備長炭の始まりとされています。
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備長炭の原料となるウバメガシは、自然条件の厳しい場所に生育します。原木を切り出すだけでも大変な作業です。
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