藍染め製品が、根強い人気を保っています。もともと肌に直接着る作務衣、浴衣を中心とした春から夏の商品として都会でも売られ、さらに最近は藍の抗菌作用も注目されています。このほか、のれん、ハンドバック、サイフ、テーブルウエアといったものも出回っています。ただし藍色のものであっても、いまでは天然藍が使われているものは非常に少なく、化学染料の藍で染められているものの方が多くなっています。
昔から若者に人気の高いブルー・ジーンズ。これも日本の藍と似たような色をしています。ブルー・ジーンズも藍も、同じインジゴという色素です。この色素の原料となる植物は、世界中にいろいろな種類があります。
インジゴの語源になったものに、インド原産のマメ科の植物、インド藍があります。木藍とも呼ばれ、萩に似た植物で、英名はインジゴです。インドでは2000年以上前から染料として使われていたといわれます。
インド藍と同じ仲間の植物に南蛮駒繋(なんばんこまつなぎ)があり、こちらはアメリカが原産です。ヨーロッパにはアブラナ科の大青(たいせい)が使われていました。日本では、沖縄の伝統的型染めである紅型(ひんがた)などに使われている琉球藍は、キツネノマゴ科の植物です。
日本で藍という場合は、高さ70cmくらいのタデ科の1年生植物です。小さな子が「アカマンマ」といってママゴト遊びに使う、道端に生えているイヌタデと同じタデ科の植物です。これらの植物にインジカンという成分が含まれていますが、それが空気(酸素)によってインジゴという色素に変化し、青く発色するのです。藍は古くから世界中で使われている染料ですが、藍という名前の植物があるわけではありません。日本の藍も、植物の名前は蓼藍(たであい)です。
ところが19世紀になって化学的にインジゴがつくられるようになると、天然の藍染は急速に姿を消していきました。
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(資料:名古屋三越) |
いまでは高価になっている藍染も、もとはといえば庶民の服を染めるものでした。日本の伝統的な染物として、最近はサイフ、テーブルウエアといったものにも使われています。 |
(資料:藍の館) |
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