かつて、川や池、湖などでごくふつうにみられた魚のうち、ここ数10年で急激に数を減らしたり、一部の区域では絶滅した魚たちがたくさんいます。原因はどこにあるのでしょう。たとえばメダカ、昔は田んぼの中でもよく見られました。メダカが減少していった理由を考えると、まず農業形態の変化があげられます。川から田んぼへ直接水を引けば、メダカもそのまま入り込めます。しかも田んぼは大雨が降ったときなど、メダカにとっては避難場所ともなりました。しかし、ポンプによって田んぼへの水を汲み上げるようになったため、メダカが入り込めなくなってしまいました。しかも農薬の使用は、メダカにも打撃を与えることになりました。さらに中小河川の改修は、メダカがすむのに適した流れがゆるく浅い場所や、産卵のための水草がある場所などを減少させました。また、水温や塩分濃度の変化にはかなりの適応力をもっていますが、水の汚れにはあまり強くないようです。このように、さまざまな要因がからみあって、減少していったようです。
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長野県の伊那谷(天竜川)ではザザムシが珍味として食べられています。ザザムシはカワゲラ、トビケラなどの総称です。ザザムシの種類や採れる量は時代とともに変化があるようです。原因の一つとして、水の汚れが考えられています。
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