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在宅透析と透析廃水について

在宅透析療法に高まる期待

腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、尿を生成する機能を持つ重要な臓器の一つです。しかし近年、糖尿病や高血圧をはじめとした生活習慣病、メタボリックシンドロームなどを理由に、腎機能を低下させる人が増加しています。こうした症状を抱える患者の治療の一つに挙げられるのが、「透析」です。透析は、人工的に血液中の老廃物の浄化を行うため、一般的に週2〜3回専門病院へ通院し、1回4時間程度の治療を行う必要があります。さらにその時間的制約から、社会的活動(仕事)を縮小せざるを得なくなったり、保健上の医療費の増大など、患者への負担は少なくありません。近年の国内の患者数は、2012年の約23万人から2015年に至っては約32万5千人にまで増加しており、大勢の患者の社会生活QOLに大きな影響を及ぼしています。
こうした状況の中、患者の負担を軽減する方法として注目を集めているのが、「在宅血液透析」です。在宅血液透析は条件を満たせば自ら行える腎代替療法で、自宅で行えることから時間の制約が少なく、治療時間を気にせずに透析を行えることが特長です。また治療の回数や時間を増やすことで食事制限が緩和され、合併症のリスクも減ると言われています。治療を続けながら普段通りの生活が送れるため、在宅血液透析の利用者は年々増え、2015年時点で572人に達しており、今後も増えていくことが予想されます。

■慢性透析患者数の推移
慢性透析患者数の推移
■在宅血液透析患者数の推移
在宅血液透析患者数の推移

日本透析医学界「慢性透析患者に関する基礎統計」より

人工透析廃水の問題点

患者にとって利点の多い在宅血液透析ですが、各家庭で導入するためには、人工透析治療による廃水処理の対策が必要となります。在宅血液透析廃水は、薬品洗浄剤が含まれ、BOD(生物化学的酸素要求量)値が600mg/Lと一般的な生活排水の約3倍です。そのため、そのまま公共用水域に放流すれば、環境負荷が懸念されます。さらにpH値は2〜3と強酸性のため、汚水桝や管きょを腐食してしまう可能性もあり、透析廃水処理装置の設置が求められます。

在宅血液透析排水処理槽に補助金60万円

国や自治体もさまざまな施策に乗り出しており、群馬県館林市では2016年2月に公示された「障がい者(児)等日常生活用具給付等実施要綱」の中で、新たに住宅療養等支援用具として「在宅血液透析排水処理槽」を追加しました。具体的には、在宅血液透析廃水を浄化する処理槽の購入補助として自己負担1割、上限額60万円を補助しています。このように、社会での理解と環境が整えられていくことで、治療に苦しむ多くの透析患者に「在宅血液透析」という選択肢を与えるとともに、QOL向上に期待が高まることでしょう。

人工透析廃水900~1,500mg/L
人工透析廃水。
無色だが、BOD値は非常に高く環境に与える負荷は大きい。
透析廃水により汚水管が腐食し底部の骨材が露出
透析廃水により汚水管が腐食し底部の骨材が露出

国内初の廃水処理ユニットが誕生

フジクリーンでは、長年にわたり透析クリニックや病院の廃水処理に携わってきた実績を生かし、国内で初めて在宅血液透析向けの処理ユニットを開発。これまでの透析廃水処理槽から得たデータ等をもとに、在宅血液透析廃水処理用として標準化設計することで、処理効率を向上させました。

■在宅血液透析廃水処理ユニット FJS型

透析患者の経済的な負担を考慮し、可能な限りランニングコストを抑えた環境と家計に優しい製品をめざして開発しました。薬剤を使わずに安全で、しかもローコストで維持管理できることも大きなポイントです。透析治療は個人差がありますが、一週間あたりの透析時間は28時間以内まで適用できるため、多くの方にご利用いただくことができます。

FJS型

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